2013/05/30

観音寺城跡 (2011)

この春の18切符では行き先が滋賀が多かったが、これも滋賀で、18切符3日目は観音寺城跡。ただし観音寺城跡には二度目の城攻めなので、その投稿の前に2011年に行った一度目の方を先に投稿。

観音寺城は標高433メートルの繖(きぬがさ)山の山上に築かれ、安土城以前では珍しい総石垣造りの山城。
観音寺城が歴史に登場するのは南北朝時代。佐々木(六角)氏頼が観音寺に篭ったと「太平記」に記述があるが、このときは砦のようなものだったと思われる。その後、応仁の乱でもここで何度も攻防戦が行われる。佐々木六角氏が居住する城として本格的に整備されるのは16世紀前半になってから。1000箇所以上の曲輪を持ち、その多くが石垣で囲まれた日本国内屈指の大規模な山城となった。
しかし織田信長が足利義昭を擁して上洛するとき、支城である箕作山城と和田山城が落城すると、城主の六角父子は戦わずして観音寺城から逃亡。観音寺城はそのまま廃城となった。

観音寺城は大きいだけに登城路は何通りもあるが、この日は先に安土城跡を攻めたので、西側からの薬師口筋から攻略した。
ここに来る前に安土城跡にも行っていたこともあり、西側の遺構を見ただけで引き返した。東側の遺構は最初から無理だと思っていたが、その西側の遺構もかなり見落としがあった。観音寺城跡には案内板等がほとんど無く(伝本丸跡に少しあるだけ)、ある程度事前に調べただけでは全く歯がたたなかった。
(ということで2年後の2013年春に再び観音寺城跡を攻めたが、それは別投稿で。)



①観音寺城跡西側からの遠景
安土城跡から少し南の地点より観音寺城跡のある繖山を見る。安土城跡と観音寺城跡との間にはJR東海道線が走っている。





②桑實寺入り口の階段
繖山の中腹には桑實寺(くわのみでら)があり、薬師口筋はその桑實寺を経由して観音寺山城跡に登城するルート。ここから山の中腹までは参拝道として階段が整備されている。


③桑實寺山門へ続く階段
そのまま階段を登ると山門が見えてくる。この山門より中は有料となるが、お金を払う場所が無い。実は中に入ってはるか先にあるのだが、この地点ではそれが分からない。さらに入ったらセンサーでチャイムが鳴るので、不法侵入のアラートが鳴ったみたいでビビる(^^ゞ


④桑實寺本堂(重文)
山門からも、ひたすら階段を上がり続けて、ようやく桑實寺に到着。
1532年には室町幕府12代将軍足利義晴が、ここに仮の幕府を設置。のちに15代将軍足利義昭も滞在する。
伽藍がいくつかあるが、その中で本堂は重要文化財に指定されている。拝観料を払う事務所はこの近くにある。


⑤薬師口筋入り口
桑實寺経堂のそばに観音寺城跡へ行く薬師口筋の入り口がある。ここは山側から見れば、桑實寺の入り口でもある。つまり有料なのはここまでで、ここから先の城跡は勿論無料。すなわち薬師口筋を通って観音寺城跡へ行く場合は、通り抜けのためだけに拝観料が必要となる。
この先もまた石段があるが、参拝道と違って幅の狭い石の大きさもバラバラの石段となっている。


⑥薬師口筋途中の大石
ある程度上がっていくと、周囲に石が多くなってくる。天然の石なのか石垣の名残なのかは不明。
ちなみにここでG1が力尽きたw これ以降の写真はGF2で撮影。
(2009年当時は今のGX1で無く、G1を使用していた)


⑦薬師口筋途中の石垣
さらに登っていくと、明らかな石垣が現れてくる。


⑧外側から見た伝本丸裏虎口跡
石段を登り切るとようやく平らな山道となる。その山道をしばらく進むと、木々の間から突然遺跡が現れる。


⑨内部から見た伝本丸裏虎口跡
薬師口筋をすすむと、伝本丸の北側から入る。


⑩大石段
伝本丸跡の東側には幅の広い石段があり、こちらが観音寺城の大手道と思われる。

⑪観音寺城跡からの眺望
石段を降りた先から南東方向の眺望。前方に見えるのが、箕作山。観音寺城の支城である箕作山城があった。
その間には東海道新幹線が走っている。


⑫伝三の丸石垣
大石段の西側は伝三の丸で、ここにも石垣がある。

⑬伝平井丸石垣
さらに西側に進むと、ひときわ大規模な石垣が見えてくる。ここが伝平井丸。


⑭伝平井丸虎口
伝平井丸の虎口。伝本丸より立派。


⑮伝落合氏屋敷跡
伝平井丸虎口のすぐ南側にある。



⑯伝本丸北側の曲輪の石垣
伝本丸に戻って、その北側にも曲輪がありそうなのだが、そこに行く道が全く見当たらない。裏虎口から外に出て、山の斜面で勾配がゆるやかなところを見つけてそこから登ってみると、ここにも石垣があった。ただし写真のように木の枝が邪魔をして、それ以上奥には行けず。

他にも遺構が山ほどあるのに、道が無いこの曲輪に拘ったのは、裏虎口から入った場所が伝本丸跡なのか確証が無かったから。その北側の方が高くて、そこに曲輪があるのなら、そっちが本丸跡かもと思った。




[観音寺城跡マップ]
 ※さらに拡大したいときは「地形」から「地図」に変更する

より大きな地図で 観音寺城跡(2011) を表示

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