また18切符の季節になったので、それを利用して城攻め再開。
この夏の18切符一発目は、吉備高原南縁の標高約400mの鬼城山に築かれた鬼ノ城跡。
駅から遠くバスも無い僻地なのでなかなか行けなかったが、今回はレンタサイクルを利用して移動。ただ最寄り駅の服部駅には何も無いので、二つ先の総社駅のレンタサイクル店を利用した。
鬼ノ城は鬼城山の8~9合目あたりの急斜面にさらに高さ約6mの城壁が築かれた神籠石系山城。
7世紀の白村江の惨敗により本土防衛のために築かれたという説が有力であるが、日本書紀等の文献には記載がなく謎に包まれている。
1. 鬼ノ城跡遠景
レンタサイクルでの道中から鬼ノ城跡を見る。この辺りまではほぼ平地なのでスイスイ来れたが、もう少し先からほぼ上り坂オンリーとなり、自転車ではかなりきつかった。
2. 鬼の釜
鬼ノ城に住んでいた温羅(うら)という伝説の鬼が使用していたとされる鬼の釜。
鬼ノ城跡への入口がある鬼城山ビジターセンターまで残り500mほどのところにある。
3. 鬼城山ビジターセンター
ここに駐車場があるので自動車だと全く苦労することなく鬼ノ城まで来れる。
4. 登城口
鬼城山ビジターセンターのすぐ脇にある鬼ノ城跡への入口。
5. 鍵岩
登城口から少し進んだ先から枝分かれして、学習広場と名付けられた展望台へ行く。
6 .鍵岩から鬼ノ城跡を見る
鍵岩からは鬼ノ城跡の全体像が把握できる。左から鬼城山・角楼跡・復元西門が見える。
7. 角楼跡
鍵岩から元のルートに戻り先へ進むと巨大な石垣と土塁が見える。
ここは尾根続きで攻められやすいことから、城壁の死角を補い防御力を高める目的で城壁の一部を長方形に張り出している。しかし、この上に建物などがあったかどうかは不明らしい。
8. 西門(復元)内側
角楼跡から城壁に沿って反時計回りに進むとまず目に入るのが西門。
鬼ノ城には東西南北の4方向に門があったが、西門跡はきわめて良好な状態で残っており、現在は西門が復元されている。
9. 西門付近から南側の眺望
西門から南側には総社平野が広がり、天気が良ければ瀬戸内海も確認できるらしいが、あいにく靄っていた。
10. 西門(復元)外側
西門を外側から見る。西門の巨大さだけでなく、ほぼ垂直の土塁にも驚く。
壁となる位置に壁枠をつくり、内部に土を入れて一層ごとに突き固める版築土塁という工法を用いて造られた。
11. 城壁
西門の東側の城壁にはその版築土塁だけでなく一部に石垣が積まれている。
12. 第0水門
鬼ノ城には水門と呼ばれる排水機能を持った城壁が6ヶ所ある。この第0水門は石垣の底から排水させており、現在ではそこから水が染みだしている。
13. 第1水門
反時計回りに進んだ先には第1水門があり、ここも石垣の底から水を排水させている。
14. 第2水門
第1水門のすぐ隣にある第2水門は、排水溝を備え付けて石垣の上から排水させるタイプだが、てっきり後世に造られた排水溝かと思って写真に撮らなかったorz
15. 南門跡
東西南北の城門のうち、西門と南門は間口12.3mもある大型の城門で、古代山城大野城の太宰府口城門(間口8.55m)をしのぐ。
16. 城壁上部の通路
城壁の外側を歩けるのは西門周辺の一部だけで、他は城壁の上部に沿って進むが、この辺りは見晴らしが素晴らしい。
ただ、こういう突出部の下は土塁じゃなく石垣になっているらしいが、それが見えないのは残念。
17. 敷石
鬼ノ城の城壁の外側および内側には、石が敷き詰められている箇所が多数ある。流水により城壁が洗われて崩れないよう保護するためのものと考えられている。
18. 第3水門跡
第3水門の案内板はあったが、どの辺りが水門なのか分からなかった。
19. 高石垣と内側列石
第3水門の少し先は城壁が石垣になっているばかりでなく、城内にも巨大な石が並んでいる。
20. 内側列石の千手観音
その内側列石には見事な千手観音が彫られていた。どうやらここは江戸時代に、観音信仰のために岩屋寺を起終点として形成された三十三観音みちに組み込まれていたらしい。
21. 第4水門跡
その先にある第4水門跡。水は流れているものの、ここも水門跡と思えるようなものは分からなかった。
22. 東門跡
東門は、西門・南門と比べてやや小ぶりになている門。
23. 屏風折れの石垣
東門跡から少し進んだところから見える屏風折れの石垣が本当に見事。詳しい時代が不明とは言え、5~7世紀ごろにこれだけの石垣を積む技術があったとはちょっと信じられない。
24. 第5水門跡
ここも水門跡の遺構がどこなのか分からなかった。
25. 屏風折れの石垣
血吸川の急崖上に舌状に構築されている。
26. 屏風折れの石垣の上部
内側列石や敷石が残っていることから、建物等は存在しなかった可能性が高いと考えられている。
27. 北門跡(内側)
東門と同じく、やや小型の城門。
28. 北門跡(外側)
ここから外に出る道は岩屋へ通じている。
29. 管理棟跡(礎石建物5)
北門跡からまた城壁に沿って進み、その先で城壁から離れて内側に入り、城中央部にある礎石群へ。
建物の構造や周囲の出土品から役人が駐在した管理・運営に必要な施設であったと考えられている。
30. 倉庫跡(礎石建物3)
床を支える柱の全てに礎石をおく層柱建物であることから、相当な重量を支えたものと考えられるので、城内で必要な穀物や武器などを収めた倉庫があったと考えられている。
31. 倉庫跡(礎石建物1)
礎石建物3と同じく倉庫跡と考えられている。
32. 鬼ノ城跡案内図
[鬼ノ城跡マップ]
より大きな地図で 鬼ノ城跡 を表示
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