2014/05/17

七尾城跡

春の18切符での石川県の城攻めの二日目。小丸山城跡の次は、この城攻めの本命・七尾城跡へ。
七尾城は、石動山系の北端の標高300mほどの尾根上の通称「城山」にあり、その尾根から枝分かれする尾根にも無数の砦を配置した大規模な連郭式山城である。七つの尾根に築かれた城ということから七尾城と呼ばれた。

七尾城は能登国守護の畠山満慶が正長年間(1428-1429年)頃にこの地に築いたと思われる。当初は砦程度の規模であったが、戦乱の時代になり増築・拡張され、能登国に侵攻した上杉謙信にによる攻撃にも、一年にわたって持ちこたえるほど強固な城となった。このときに外からの攻撃には耐えぬいたが、内部の対立による内応のため開城した。七尾城はその後、織田の支配下に入り前田利家が城主となるが、小丸山城へ本城を移して廃城となった。

石垣を始め、当時の遺構がかなり残っており、国の史跡に指定されている。また日本五大山城のひとつに数えられている。



(1) 七尾城跡遠景
七尾城へは七尾駅前から市内循環バスにて。「城史資料館前」バス停付近から、七尾城跡を見る。




(2) 大手道
バス停近くには案内が無いが、そこから山の方向に向かうと、写真のような手作り感いっぱいの案内がある。

(3) 大手道
こんな狭い道なんて、案内板が無ければ絶対分からない。

(4) 門の高
この付近に大手門があった。

(5) 道路工事
門の高を少し過ぎたところで大規模な道路工事を行っていた。高速道路が大手道を横断するようだ。高架道路なので大手道が分断されることは免れたが、それでも興ざめも甚だしい。

(6) 小屋場
武家屋敷が建っていたと思われる。

(7) 高屋敷
能登畠山氏や重臣の屋敷跡とみられる。

(8) アスファルトの道に合流
このアスファルトの道は、(2)で左手の道に進まず真っ直ぐ進んだときの道。この道に案内した方が、迷わないはずだが。

(9) 妙国寺跡
七曲り半くぼから別れる西方尾根の先端部にあたるこの場所に妙国寺があった。
この西方尾根上のルートを登って、七尾城へ登城する。

(10) 時鐘跡
朝夕、城内・城下に時刻を知らせていた鐘があった。

(11) 七曲り


(12) 番所入口
七曲りから出たところに警護の兵士が交代で詰める番所があった。

(13) 番所跡
実際の番所は、登城路から土塁を挟んだ向こう側。

(14) 分かれ道
左が大手道で調度丸跡経由で本丸跡へ、右は三の丸跡・二の丸跡経由で本丸跡へ行く。

(15) 沓掛場跡
分かれ道の左側の角にある曲輪。ここで身なりを整えたと言う

(16) 袴腰跡
(14)の分かれ道の正面にある曲輪。

(17) 大手道
大手道の左手は切り立った崖で、谷から攻め上がってくるのは不可能だろう。

(18) 大手道から三の丸跡を見る
三の丸側も、切り立った崖となっている。

(19) とよの水
城内の水源で、枯れたことが無いと言う。

(20) 寺屋敷跡
大手道の左手は崖だが、その崖が終わり左側の道へすすむと寺屋敷跡がある。

(21) 大手道
再び大手道に戻りその先を進むと、前方に石垣群が見えてくる。
ここからは正に、七尾城跡のハイライト。

(22) 調度丸虎口
石垣といい、かなり立派な虎口だった。

(23) 調度丸跡
弓矢などの武具(調度)を整えた場所で、多数の出土品がここで発見された。

(24) 桜馬場石垣
調度丸跡の南側には桜馬場があるが、その桜馬場の石垣は五段に組まれ、七尾城跡でも最大規模を誇る。

(25) 桜馬場跡
桜馬場石垣横の石段から上に登った右側には桜馬場跡が広がる。この曲輪は東西の長さが45m、南北の長さが25mあり、軍馬の訓練を行った馬場などと言われている。

(26) 遊佐屋敷跡
登った左側は、桜馬場跡と石垣で区切られた遊佐屋敷跡となっている。この東側は本丸となっており、七尾城の中心部にあることから城主に次ぐ守護代のちいにあった遊佐氏の屋敷と伝えられている。上杉謙信に攻められたときに内応した重臣・遊佐続光は、ここに住んでいたのだろうか。

(27) 本丸石垣
遊佐屋敷跡を抜けて本丸へ行く。戦国時代の山城に多い「野面積み」の工法を用い、三段に組まれている。

(28) 本丸跡
七尾城の中心となる曲輪。

(29) 城山神社
本丸の南隅には、一段高い土塁の上に城山神社があった。いかにも天守台という感じで、天守または天守に相当する櫓があったのだろう。

(30) 城山神社から北側の眺望
本丸の向こう側に海(七尾湾)が見える。


(31) 城山神社南側の土塁
天守台の南側はさらに土塁で高くなっている。

(32) 本丸西側石垣
本丸の西側に大規模な土塁が見えるが、裏側に回ってみると石垣で固められていた。



(33) 西の丸跡
本丸から西側へ降りると前(すなわち桜馬場跡の南隣)にまた高くなった曲輪がある。

(34) 九尺石
西の丸跡の西側は巨石が並んでいる。

(35) 温井屋敷跡
桜馬場の北西隣には重臣・温井氏の屋敷があった。

(36) 二の丸跡
温井屋敷跡の隣にある二の丸跡。


(37) 大堀切
二の丸と三の丸の間は深さ10mぐらいある大堀切で区切られている。

(38) 三の丸跡
二の丸の北側にある三の丸は七尾城最大の曲輪

(39) 安寧寺跡
三の丸跡から西側へ降りた先にある安寧寺跡。(14)の分岐点の右側を進むとここに出る。

(40) 七尾城跡全体図

(41) 七尾城跡中心部散策図



[七尾城跡マップ]
 ※さらに拡大したいときは「地形」から「地図」に変更する

より大きな地図で 七尾城跡 を表示

















0 件のコメント:

コメントを投稿